大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(う)757号 判決

被告人 望月彰

〔抄 録〕

次に訴訟手続の法令違反を主張する所論について検討すると、原判決が不退去の訴因についてのみ審理判断して被告人を無罪とし、その審理の過程において、検察官に対し、建造物侵入に訴因の変更を促したりあるいはこれを命じたりした形跡がないことは記録上明らかである。しかし、建造物侵入に訴因を変更すれば直ちに有罪の判断をなし得ることは本件証拠上明白であり、これは原判決も自認するところである。しかも、建造物侵入罪が不退去罪と同程度に重要な犯罪であることもまた肯認できるのであるから、原裁判所が検察官に対し訴因変更の意思の有無を確かめ、あるいはこれを促すことすらしなかったのは、事実審の職責たる訴因に関する釈明権の行使を怠ったものといわざるを得ず、右の訴訟手続の法令違反は判決に影響を及ぼすことが明らかである。それ故、原判決はこの点において破棄を免れない。

(寺尾 山本 田尾)

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